雪が無い

 木島平村に内山和紙の仕入れに行ってきた。長野市から北に車で約50分位にある豪雪地帯である。昔は冬の農家の副業として和紙の手漉きが盛んに行われてきたが、近年手漉きをする人が殆んどいないらしい。


木島平村の田園。例年なら2メートルくらいの雪に覆われているが今年は土肌が露出している。


手漉き場の近くでもこの程度の雪である。雪が少なくて良いかと思いきや、和紙の原料となる楮(こうぞ)の皮を漂白する「雪さらし」には雪が必要とのことである。太陽の紫外線と雪の水分の働きで、緑色をした楮の皮がクリーム色に漂白されるとのことです。塩素などの薬品を使わない先人の英知であり、雪国の雪と暮らす智恵でしょう。